2010年10月18日月曜日

DUCATI 1198S Dynoプロット 空燃比

今回はDUCATIの1198SのTuneです。

サブコンを付けるだけでパワーアップはしません。
何をしているかと言うと燃調をしていて、
言うなれば、キャブ調整をしているだけなんですね。

取り付けられた吸気排気に合わせて、理想的な燃焼状態に測定器で計測したりデータロガーと取り付けて解析したりして居るだけなのです。

馬力は取り付けられた吸排気に依存します。
効率の良い吸排気だと燃料が薄くなり、ぱんぱん言ったり、始動性が悪くなったりと言う感じで、効率の悪い吸排気だと燃料が濃くなったりと言う感じです。

理想空燃比と言うのは車両によって違ったりしますが、指標として13.5とか言っています。
空気が13.5gに対してガソリンが1gと言う感じですね。

ある年代を境に乗り物の重量が増えて、馬力があがらない年代があったと思います。世界的な環境規制ですね。

でも、色んなバイクを見ていると目先の規制に適合しているだけの車両もあったりします。

DUCATIはいくつかの車種で20%以下のスロットルと5500rpm以下で燃料調整をすることができないんです。


↓ この領域ですね。
海外ではこの領域はあまり使わないかもしれませんが、日本のほとんどの乗り手はこの領域を常用します。

DUCATIが低速でがくがく言ったり、乗り憎いのはこのためなんです。

ちなみに、前のシリンダーと後ろのシリンダーも空燃比と言うか燃調が違います。






どういうことかと言うと、ECUがO2センサーの値を拾って、
自動的に薄めに調整をしているみたいなのです。

計測すると、Ecoカー? かよと言うぐらいに薄い空燃比になります。あんまりTuneの話で出てこないのはアクセル100%での計測が多いので常用域での話題になりにくいからかな〜?

DUCATIはレーサーベースだから使わない領域はどうでもeeですねと言う人もいますが、どうも違うようです。
RaceECUの方がきちんとしています。

所感なのですが、EUの排気ガス規制で計測する部位で排気ガスを綺麗にしているのか?
ECUのチップの処理速度の問題なのか?
そんなコトを考えていました。

↓ これは、DUCATI 1198Sの国内仕様のDynoプロットです。
日本向け仕様は、155HP/8000rpm)なので
後輪出力で15%のロスで130PSと予想通りです。

リミッタが8000rpmでがぼんと効きリバウンドします。



問題は、ココ。
アクセルの上げる回転数やタイミングで空燃比が
4500rpm以下で暴れることです。

DUCATIでパワーリフトさせるのは簡単で20%以上40%ぐらいの領域をぽんと使うことです。

それ以下は状況でがくがく言ったり扱いにくくて実用にはなりません。

それと、これだけ薄いと水温もあがるし、圧縮比も高いので
耐久性というかエンジンの寿命も気になります。




測定すると物理的なアクセル開度が100%でもECUは少ない値に認識しています。
TPセンサーをキャリブレーションするシステムも手元にあるのですが、それでやっても、ディラーでTPキャリブレーションをしても全開で100%にならいのです。


↓ これは 5000rpm以下の空燃比を変更出来るモジュールをポン付けしてた、ほぼストックの状態。



ここでも問題点があります。

青のラインは2000rpmからアクセルを開けたプロット。
緑のラインは3000rpmからアクセルを開けたプロット。
赤いラインは3500rpmからアクセルを開けたプロット。

4500rpm付近で谷が出来ます。
あれ?と思って海外のデータを見ても同じなので
日本仕様だけの課題ではなさそうです。

アクセルの空ける回転数で過渡特性が変わる?

再現性はあるのか?となんどか違う条件でもおなじように計測してみました。


↓ これは 5000rpm以下の空燃比を変更出来るモジュールと
サブコンPCVをポン付けしてアクセル開度を調整した
ほぼストックの状態。



↑ サブコンを取り付けてとりあえずMapで計測してみますが、ECUの基本特性は変わりません。



それじゃあと、ターゲット空燃比に持って行く様に調整をします。

今回の依頼はパワーを上げずに乗り易く、扱い易くだったので、こんな結果になりました。

先ほどと同じに計測してみます。
青のラインは2000rpmからアクセルを開けたプロット。
緑のラインは3000rpmからアクセルを開けたプロット。
赤いラインは3500rpmからアクセルを開けたプロット。



理想的な回転をしているので、出力はちょっと上がったかな?
計測のばらけ具合も揃ってきました。

アクセルの開け方や空けるタイミング、回転数で、過渡特性がばらけることなく変化はなくなり、だいぶ乗り易くなりました。

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