2010年9月15日水曜日

DynoJet POWER COMMANDER V No.3

ここでは、Steady State Fuel Mappingでの調律を紹介したいと思います。

このTuneのためのソフトウエアーはとても高価です。
高価なバイクぐらいの年間使用料と言う感じで、買い上げなら素晴らしいのにと思ったりします。



左上のRPMの大きい数値は現在の回転数です。
その下の小さい数値は調整をする目的の回転数です。

上の真ん中のThrottle Position の大きい数値は現在のアクセル開度です。
その下の小さい 数値は調整をする目的のアクセル開度合です。

右上のAirFuel の大きい数値は現在の空燃比です。
その下の小さい 数値は調整をする目的の空燃比です。

PCVでは複数のシリンダーを個別に調整したり、各ギアー毎に空燃比を調整したりする事が出来ます。
いきなりやるとごちゃごちゃになってしまうので、まずは1マップからです。

縦軸に回転数、横軸にアクセル開度。

Load Controlは電子制御でリターダー装置が負荷を調整します。
そのコントロールが行う指令ですね。

負荷装置の温度やタイヤの温度などを見ながら調律をします。

ex.
ここでは、3000rpmでどうもどんつきがあったり、気持ちよく走らないと言う症状を厳密にやってみます。

こういったケースでは Steady State Fuel Mapping と言う方法でやってみます。

3000rpm前後が課題なので、アクセル開度を5%、10%、15%とよく使う部位を重点的に調律します。

システムに、リターダーが電子制御して3000rpmで落ち着かせるように数値を入れます。もちろん、ぴったり3000rpmに制御する事が出来ますが、そこまで厳密にやって時間がかかってエンジンに負担をかけるより、3000rpm ±2%とか許容値を与えます。

次にアクセル開度を5,10,15%でやはり±の許容値を入れます。
特に電子制御のアクセルを採用している車両でぴたりと5%とか50%とかにしても、自動でバタフライバルブを開け閉めしてしまうので、なかなかぴたりが難しいです。

rpmとTPの数値が赤い状態は指示されたターゲットでは無いですよと言う意味で、
緑色は許容された範囲で目標値ですよと言う意味です。

Load Controlが黄色に光ってからリターダーがフィードフォワード制御を繰り返しながら、3000rpmになる様に負荷を調整しています。
14秒あたりで、目標回転数になったので、表示が緑に変わります。

次にアクセル開度を計測の5%に持って行きます。
16秒でアクセル開度が5%に近づきますが、今度は回転が700rpm程も上昇しています。
負荷装置がフィードフォワード制御で回転を3000rpmに押さえに行きます。

23秒あたりで、回転数と開度がターゲットになったので、緑色に変わります。
それと同時にSamplingを始めて、5回程の計測と検算を繰り返して 13.4のターゲット空燃比に持って行く様に調整パラメータを収集し当てはめ、計測して当てはめを繰り返します。

26秒あたり、調整が完了してOKであれば、NEXTで次のアクセル開度の10%に進みます。

電磁ブレーキをかけると赤い帯が表示されて、ファインチューニングが終わります。

2000rpmで100%などの通常は無い状況だったり、ノッキングを起こす条件の所は当然ながら当て込みをしません。

3000rpm近辺と言う事でしたが、その前後もこういった事を繰り返して、ターゲットの空燃比にします。

どの回転数でもアクセル開度でも空燃比をびしりと整えてから本格的な味付けに入ります。

何処かの回転数で何処かのアクセル開度で空燃比が崩れる、理想的な燃焼でないと言う事は、そこの部位では馬力が出ていない事になります。
たとえ、そこでのロスが0.01PSでも、その上でも、また、その上でもと言う事になると、最終的に10000rpmで何十馬力もの差になったりします。

1回転毎にエンジンが長持ちするように、心地よくと、願いながら調律をすると
愛車はオーナーの気持ちに応えてくれます。








.



.

0 件のコメント:

コメントを投稿